- 2022.11.09
- WingEarth
株式会社 大洋画地
WingEarthと三次元レーザスキャナを同時に導入
現況測量における劇的な業務時間の削減を実現
昭和46年の設立以来、関東圏の官公庁様を中心に測量・土木設計を数多く受注し、信頼のおける企業として高い評価を受けてきた株式会社大洋画地様。現在では従来の測量・土木設計業務に加え、建設コンサルタント業務、補償コンサルタント業務、自社開発GISエンジンによるシステム開発業務等、時代に即した業務展開を行っておられます。大洋画地様は「企業活動を通じ社会貢献を行う」を設立以来変わらない「核」として事業に取り組んでおられ、2021年に創立50年という節目の年を迎えられました。
創立当時と比べ測量・設計業を取り巻く環境も激変し、特に測量機器の進歩は目覚ましく、「i-Construction」を始めとした三次元データ活用業務が主流となりつつある環境の中、この50年間で培った企業としての経験則で、その時代に応じた最新技術を融合し続けておられます。
WingEarthと三次元レーザスキャナを導入した経緯は?
国土交通省が提唱する、「i-Construction」が各種建設現場に適用される中で、三次元点群測量を導入しようという要望が当社のスタッフからも多く寄せられてきました。当社は、アイサンテクノロジーのWingneo®INFINITYを導入していましたので、早速アイサンテクノロジーへお願いし、デモンストレーションを行っていただきました。その際、併せて三次元レーザスキャナのデモンストレーションもしていただきました。WingEarthはWingneo®INFINITYとの連携機能もあり、三次元点群測量から平面図作成への取り組みに対して有効だと判断し、導入することにしました。
御社ではどのような業務に携わられておりますか?
私が大洋画地に入社したのは28年前です。入社当時から一貫して、川口市の区画整理を担当してきました。この他にも東京都の建設事務所様の路線測量や現況測量にも携わってきました。当社の事業については全体の95%が公共事業で、東京都の建設事務所様から3年前から連続して表彰をいただいております。
三次元点群データはどの様な業務に使用できると考えましたか?
三次元データの活用として、従来の測量業務を三次元測量に置き換えることで、現況測量や縦断・横断測量においても時間短縮につながりました。特に三次元レーザスキャナで点群データを取得して、専用ソフトで解析しWingEarthで点群編集を行い、Wingneo®INFINITYで、その点群をトレースしながら現況平面図を作成する業務が使用頻度も多い状況です。また、これらの成果を発注先の皆様にデータを持ち込んでお見せしながらプレゼンを行い、3次元点群測量を売り込んでおります。
WingEarthと三次元レーザスキャナを導入したメリットは?
三次元レーザスキャナとWingEarthを導入する前は、現況測量に非常に多くの時間と人工がかかっていました。従来の計測方法に比べ、三次元レーザスキャナは、1器械点でスキャニングとパノラマ撮影が2分弱で完了し、数千万点の点群データを取得することができます。これらの点群データをWingEarthで処理することで、現況の平面図はもちろん、縦断図や横断図を自由な位置で断面図として描くことが可能になりました。導入時に、現況測量で時間と人工をどの程度削減できたか検証したところ、少なくとも3分の1くらいの効果があることも確認しました。また、現況測量の時間と人工が大幅に削減できるのはもちろんなのですが、三次元レーザスキャナは、水平・垂直に据えることを気にせずに、ほぼ水平360度・鉛直約270度の点群をレーザで計測することができるので、橋梁の裏側の測量や道路の下に通っているボックスカルバートや暗渠など、これまで計測が困難な場所のデータを取得することが容易にできます。特に、ボックスカルバートや暗渠など、暗く狭い場所でも測量が可能であることは画期的なことでした。そして、それらをWingEarthで図化することができますので、導入前の従来の計測方法では手間がかかっていた現況図を迅速に描くことが可能となりました。
なによりも簡単に現況の点群データが取得できることで、取得漏れによる再測が無いことも非常に助かっております。
WingEarthの機能や使用感は?
WingEarthの使用感に関しては、私たちよりも若手の方が、早く操作を習得しているようです。ゲーム世代ということもあり、3Dの映像をくるくると回転させたり、アップしたりという、各々の操作を感覚的に覚えているようです。そうやって、基本的な操作を習得すると、不要な点群をゴミとして消去し、自分自身で良いやり方を見つけていきます。そうした定番の作業の流れを構築した上で、様々なコマンドなどでわからないことがあれば、サポートセンターに質問することで、より高度な操作ができるようになります。ですから、あえてマニュアルを読み込む座学など、特別に教育の機会を設けるなどの負荷をかけることなく、導入することができました。
WingEarthとWingneo®INFINITYの連携についてはいかがですか?
WingEarthとWingneo®INFINITYの連携は、三次元点群を見ながら普段使い慣れたWingneo®INFINITYのCAD機能で平面図が描けるなど、非常に使い勝手が良いという印象です。また、アイサンテクノロジーでは、頻繁にバージョンアップがあり、欲しい機能がどんどん追加されています。営業の方や技術サポートの方、さらに代理店の方が当社に来社した際に、「こうした機能が欲しい」と要望すると、その時に「ちょっとまだなのですが、もうすぐバージョンアップする予定です」といった回答をいただき、ほぼそのスケジュール通りにバージョンアップがなされて機能が追加されるので、ストレスを感じることなく、非常に満足しています。
WingEarthの操作方法や活用方法の課題については?
アイサンテクノロジーのホームページには、「点群図鑑」というコーナーがあります。この「点群図鑑」では、WingEarthの高度な操作方法を、動画で細かく解説されていて確認することができます。こんなこともできる、あんなこともできる。「点群図鑑」をみていると、そうした発見があるので有効に活用しております。また、「点群図鑑」の他にも、三次元測量についてインターネットで検索してみることもあります。
「点群」や「三次元点群」と入れて検索してみると、アイサンテクノロジーも含めて様々な広告や、他の測量会社のホームページが出てきます。そこで、同じような三次元測量の三次元レーザスキャナやソフトウェアで、様々な活用事例が紹介されています。そうした、三次元測量の取り組みについて調べてみると、新たな発見があり、当社でも試してみたいと考えることもあります。こういう切磋琢磨も重要と考えております。
今後のWingEarthと三次元レーザスキャナの可能性は?
測量分野以外で、三次元レーザスキャナとWingEarthの高機能を活かした、新たなチャレンジを模索したことがあるのですが、測量の分野以外でも同様に、三次元レーザスキャナで点群を取得し、データとして納品する方向です。建物の外構から内部の内装や家具に至るまでのデータを点群として収集し、そこに住んでいた家族の思い出や生活していた頃の記憶をデジタルデータとして保存し、立体的に見ることができるような商品として提供するサービスは、測量の延長線上で発想できるものです。これ以外でも様々な可能性が膨らんできて、もうイメージが爆発してしまうような状況ですね。
御社の今後の取組みについては?
公共事業の測量分野では、「i-Construction」の導入に伴って、三次元測量が徐々に浸透していくと思われます。当社でも、三次元測量のプレゼン資料を作成し、様々な公共事業の案件で採用していただくように働きかけ、多くの案件で三次元測量をすることができました。今後、ますます浸透してくれば、当社の三次元測量チームの稼働率は上がっていくことでしょう。もっと三次元測量ができる人員を確保して、新たな部署として立ち上げたいと考えています。幸いにして、三次元レーザスキャナもWingEarthも、特に難しい操作を習得しなくてはならないようなものではありませんので、ここは人数を確保することが急務だと考えています。なかなか今は、募集をかけても応募が少ない状況が続いています。社会インフラの基盤を支えている業界であるという魅力をきちんと伝えて、業界全体として盛り上げていきたいと思います。そこで、アイサンテクノロジーにもお手伝いいただけると嬉しいですね。
今後アイサンテクノロジーに期待することは?
1つは、大量の点群データを取得して活用するためにデータ量が重くなり、このデータで円滑な作業を行うための環境整備と作業データの運用方法について改善が必要と思っております。アイサンテクノロジーにはWingEarthの更なる動作の軽量化とスピードアップを期待しております。2つ目は現在、各機関が開催している3次元点群測量の応用技術講習会などに参加をしておりますが、普段からWingEarthを使用しているスタッフからすると、やや物足りない内容になっているようです。アイサンテクノロジーにはもっと実務的なスキルに特化した講習会やウェビナーなどがあるといいと思います。そして今後いろいろと進化していく三次元測量分野を牽引するような研究開発に、引き続き取り組んでいただき、私たちの業界を、技術とイメージの部分から盛り上げていっていただきたいですね。
御社の今後の抱負は?
「i-Construction」がきっかけとなって、三次元測量が、今後は測量業界で急速に普及していくことでしょう。その中で当社は、先陣を切って導入しました。公共事業では、まだまだ三次元測量は、デファクトスタンダードといえるところまで認識が広がっておりませんが、当社の業務の効率化はもちろん、発注先の皆様にとっても、多くのメリットがありますので、先陣を切って導入した者の責任として、今後も積極的な普及活動を展開していきたいと思います。
使用ソリューション
インタビューさせていただいた企業様
株式会社大洋画地
代表取締役
遠藤 秀德 様
株式会社大洋画地
測量調査部次長
斎藤 正樹 様
株式会社大洋画地
- 創業:
- 昭和46年
- 本社:
- 埼玉県川口市
- 資本金:
- 3,000万円
- 従業員:
- 58名
事業内容
■建設コンサルタント業務
■測量コンサルタント業務
■土地区画整理コンサルタント業務
■補償コンサルタント業務
■情報技術業務