- 2024.11.01
- WingEarth
アジャスト土地家屋調査士法人
WingEarth とドローンがもたらす相乗効果
作業時間の大幅な短縮と安全性の向上を同時に実現
広島県を拠点とするアジャスト土地家屋調査士法人様は、2015年の設立以来、不動産登記や土地境界確定などの専門サービスを提供してきました。代表の米中庸裕様は、人生の転機を経て土地家屋調査士という専門性の高い職業を選択し、新たなキャリアをスタートさせました。同法人の特徴は、最新技術の積極的な導入による業務革新です。特に注目すべきは、WingEarthの活用です。
山間部での測量業務が増加する中、従来の方法では時間と人員の面で大きな負担がありました。しかし、ドローンとWingEarthの導入により、作業効率と安全性が飛躍的に向上。これにより、新たな案件の受注や、サービスの品質向上も実現しています。技術革新がもたらした具体的な変化や、WingEarthへの期待について、代表の米中庸裕様にお話を伺いました。
御法人の主な業務を聞かせてください。
実は、この業界に入る前は東京で全く別の仕事をしていたのですが、広島に戻り、土地家屋調査士の資格を取得したことをきっかけに、この道に進むことになりました。
当法人は、主に不動産の表示に関する登記や土地の境界確定を行っています。一般の方々にとっては馴染みが薄いかもしれませんが、土地家屋調査士の仕事の特徴は、権利が動く時に仕事が発生することです。相続や土地の売買が始まった後に、仕事が始まるのが一般的です。そのため、弁護士
や司法書士、不動産業者など、他の専門家とも連携しながら仕事を進める必要があるので、それぞれの専門分野を活かしながら、お客様に満足していただけるサービスを提供することを心がけています。
その他、山を宅地開発する業者さんや、太陽光・風力発電の事業者、土砂処分場を計画している方々からも依頼を受けることが多いですね。知名
度は高くありませんが、社会にとって非常に重要な役割を果たしていると自負しています。
アイサンテクノロジーの製品との出会いはいつごろでしたか?
アイサンテクノロジーとのお付き合いは、2015年の開業と同時に始まりました。実は、私が以前勤めていた司法書士事務所でもアイサンテクノロジーのCADソフトを使用していたのです。そのため、独立する際にも自然な流れでお願いすることになりました。ただ、正直なところ、開業当初は測量の経験がほとんどなかったので、不安を感じていました。当時はトータルステーションの設置方法も理解していなかったほどです。しかし、そんな状態にもかかわらず、とても丁寧に使い方を教えていただきました。器械の扱い方や境界確定の方法は同業者の方々に教わりながら、少しずつ業務を軌道に乗せていきましたね。
アイサンテクノロジーとの関係は、単なるソフトウェアの提供者というだけでなく、当法人の業務を支える重要なパートナーとして発展してきました。こうした長年の信頼関係があったからこそ、新しい技術にも躊躇なく挑戦できました。アイサンテクノロジーの技術サポートや業界の動向に関する情報提供は、私たちの業務改善に大きく貢献しています。これからも、測量技術の進化に合わせて、さらなる協力関係を築いていきたいと考えています。
WingEarthを導入した理由と経緯について聞かせてください。
WingEarthの導入を決めたのは、山間部での測量業務の増加が主な理由です。従来の方法では、広大な山林を測量するのに膨大な時間と人員が必要で、なかには4人がかりで1ヶ月近くかかるような仕事もありました。さらに、急斜面や未整備の場所での作業は、草刈りや伐採の必要があったり、機材が設置しづらかったりと安全面でも大きな課題がありました。そんな中、ある業者から「山の測量ができるところを探している」という相談を受けたのです。最初は従来の方法でやろうとしたのですが、見積もりを出してみると、とても現実的な金額にはなりません。そこで、新しい技術の導入を本格的に検討し始めました。
最初に検討したのは、ドローンにレーザスキャナを搭載するというものです。これなら、地上から測量するよりもはるかに効率的に広範囲のデータを取得できます。そこにWingEarthを組み合わせることで、データ処理も効率化できることがわかったので、導入に踏み切りました。導入を決断する上で重要だったのは、この新しいシステムを使えば、これまでお断りしていたような大規模な測量案件も受注できるようになるという点です。確かに、初期投資は1000万円以上かかりました。しかし、導入後の業務効率化を考えると、1年程度で投資回収できると試算しました。実際、導入後の結果を見ると、この判断は正しかったと確信しています。
WingEarthを導入して、どのような効率化が図れましたか?
WingEarthの導入後、業務の効率は劇的に向上しました。特に山間部での測量では、その効果が顕著です。従来なら4人で1ヶ月かかるような仕事が、2人で1~2日で完了するようになりました。これは、作業時間にして90%以上の削減です。
こうした効率化を実現できた理由は主に3つあります。まず、ドローンを使用することで、人が直接足を運ばなくても急斜面や広範囲のデータを取得できるようになったこと。次に、レーザスキャナの性能向上により、樹木の葉を通過して地表面のデータまで取得できるようになったこと。そして、WingEarthの高いデータ処理能力により、取得したデータから迅速に必要な情報を抽出できるようになったことです。
具体的な業務改善例を挙げると、等高線の作成や断面図の作成が格段に早くなりました。従来なら現地で多くの測点を取得し、それを基に手作業で図面を描いていたものを、今では取得した点群データから自動的に等高線や断面図を生成できます。さらに、測量の精度と網羅性も向上しました。人の目では見落としがちな微細な地形の変化も、レーザスキャナで正確に捉えることができます。これにより、より詳細で正確な地形図を提供できるようになりました。
また、安全面での改善も大きいですね。急斜面や藪の中を歩く必要がなくなったので、蜂などの虫によるトラブルも避けられるようになり、怪我のリスクが大幅に減りました。このように、ドローンとWingEarthの導入は当法人の事業において、作業効率、安全性、精度のすべての面で大きな改善をもたらしました。結果として、顧客満足度の向上にもつながっています。
新たに可能になった業務など、社内の変化はありましたか?
作業の効率化によって、より多くの案件を扱えるようになりました。以前なら断らざるを得なかった大規模な測量依頼も、今では積極的に受注できるようになっています。また、業務の幅も広がり、建物の3Dモデル作成や、ドローンを使用した空撮映像の提供など、従来の土地家屋調査士業務の枠を超えたサービスも提供できるようになりました。これにより、新たな顧客層の開拓にもつながっています。
経営面でのメリットも大きいですね。作業時間の短縮により、1案件あたりの利益率が向上しました。
この利益は社員への還元や、さらなる設備投資に充てることができています。さらに人材面でも良い影響があり、最新技術を導入していることで若い世代からの注目度が上がり、優秀な人材の確保にもつながっています。社員のモチベーション向上にも効果があり、新しい技術に触れることで、日々の業務に楽しさを感じてくれているようです。
今後の展望と、弊社に期待することを教えてください。
WingEarthをはじめとするアイサンテクノロジーの製品には、さらなる進化を期待しています。特に、使いやすさの部分ですね。現在もYouTubeで操作方法を公開していただいていますが、さらに詳細で体系的な学習リソースがあれば、新しい機能の習得がより容易になると思います。また、ハードウェアとソフトウェアの一体型ソリューションの提供も期待しています。トータルステーションやレーザスキャナとWingEarthがシームレスに連携できれば、より多くの測量事業者が新しい技術を採用しやすくなるでしょう。
今後の目標としては、技術を活用した新規事業の展開を考えています。たとえば、プラント設備の3Dデータ収集や、森林管理におけるドローン活用など、従来の土地家屋調査士業務の枠を超えた分野にも挑戦していきたいと思っています。そのためにも、新技術の活用方法や、新規事業の展開に関するコンサルティングなど、より踏み込んだサポートがあれば非常にありがたいですね。これからも、技術革新と業務改善を続けながら、社会に貢献できる土地家屋調査士法人を目指していきます。
アジャスト土地家屋調査士法人
代表取締役
米中庸裕 様
使用ソリューション
インタビューさせていただいた企業様
アジャスト土地家屋調査士法人
代表
米中 康裕 様
アジャスト土地家屋調査士法人
- 創業:
- 2015年
- 本社:
- 広島県広島市
事業内容
● 土地各種登記
● 建物各種登記
● 測量調査