導入事例

2025.01.30
Wingneo®INFINITY ANIST

塩川設計測量株式会社様
平面図作成に特化した機能で、データの処理速度が大幅に向上 投資コストを3分の1に抑えながら測量業務の効率化を達成

埼玉県を拠点に測量や土木設計、コンサルタント事業を展開する塩川設計測量株式会社様は、公共測量から民間測量、開発業務まで幅広い分野で実績を重ねてこられました。県や市関係の用地測量や道路・河川関連の路線測量業務を主軸としながら、3次元測量技術を積極的に導入し、地上レーザースキャナーやUAV写真測量など、最新技術を活用した測量サービスを提供されています。特に近年では、ギネス記録世界最小認定の六面立体パズルの寸法測定や大規模施設の3Dスキャンなど、高度な精度が要求される特殊測量も手がけ、その技術力は多くの企業から高い評価を得ています。また、同社は3次元測量データの活用に注力する一方で、従来の2次元図面作成の効率化にも取り組んでこられました。最新の測量技術と確かな経験を組み合わせることで、多様化する顧客ニーズに柔軟に対応し、より質の高い測量サービスの提供を目指していらっしゃいます。

御社の事業内容を教えてください。

当社は県や市からの公共測量を中心に、民間の開発業務など多岐にわたる案件を手がけています。
近年は3次元測量にも積極的に取り組んでおり、地上レーザースキャナー、LiDAR SLAMというハンドスキャナー、そしてUAVを使った測量という3つの手法を使い分けています。当社の事業で特徴的な
のは、特殊な測量案件も手がけている点です。例えば、全体の大きさが5mmの世界最小の六面立体パズルの寸法を測定したり、ベルーナドーム(西武ドーム)の天井部分を3Dスキャンして、世界最
大のプラネタリウムの投影面積を計測したりするなど、ギネス記録の認定に関わる測量も行っています。これらの実績が評価され、特殊な計測の依頼をいただくことも増えてきました。
また、お客様のニーズも多様化しており、従来の2次元図面だけでなく、3次元データを活用したプレゼンテーションの要望も増えています。3次元データは設計データの確認や、お客様へのプランの提
示において、非常に分かりやすく効果的です。実際に、開発業務などでは、広大な敷地の測量において上空からドローンで撮影し、3次元データを活用することで、効率的に図面を作成しています。
加えて、測量技術の進歩に合わせて、社員全員が新しい技術を使いこなせるよう、教育にも力を入れるようにしました。特に3次元測量については、それぞれの現場特性に応じて最適な測量方法を選択できるよう、複数の手法を習得しています。このように、最新技術の活用と従来の測量技術を組み合わせることで、あらゆる測量ニーズに対応できる体制を整えているのです。

アイサンテクノロジーの製品をいつから利用していますか?

アイサンテクノロジーとのお取引は1995年ごろから始まりました。当時は展示会で様々な測量用ソフトを比較検討しているタイミングでしたが、多くのソフトを比較した結果、アイサンテクノロジーのProWingを導入することとなったのです。それ以来、Wingneo、Wingneo®INFINITYと、製品の進化に合わせて30年近くお付き合いを続けています。当初は1つだったライセンスも、社員が増えるにつれて徐々に増やしていき、現在は技術者一人に一ライセンス対応まで増えました。これは当社の成長とともに、アイサンテクノロジーのソフトウェアが私たちの業務に不可欠なものとなっていった証でもあります。
測量用のソフトウェアは、操作方法の習得に時間がかかる場合もあり、気軽に聞ける相手がいることが重要です。その点、アイサンテクノロジーは手厚いサポート体制を整えてくれているので、専門的な相談にも丁寧に対応していただけます。サポートデスクに電話をする際も待たされることがなく、その場で細かい質問にもご回答いただけるので大変助かっています。
また、国から受託した14条地図作成業務の際には、フルオプションのソフトウェアを一時的に貸していただくなど、柔軟な対応もしていただきました。このように、製品の品質はもちろんのこと、親身に
なってサポートしていただける体制が長年のお付き合いの基盤となっています。測量業界の技術革新が進む中で、アイサンテクノロジーの製品も進化を続けており、当社の業務効率化に大きく貢献していただいています。

ANISTを導入する決め手となったポイントは何でしょうか?

ANISTのパンフレットを見たときに、まず球体表示という点群データの表現方法に興味を持ちました。
従来のソフトウェアでは点群データは四角い点で表示されるのですが、ANISTでは球体表示となっており、視覚的な理解がしやすいという特徴があります。
特に評価したのは、3次元点群データから2次元図面を作成する機能が1つのソフトウェアで完結する点です。ANISTは現況平面図の作成に特化しており、不必要な機能がないため、必要な作業に集中して効率的に作業できます。
また、操作性が直感的で、マニュアルをあまり見なくても使いこなせる点も、導入を決めた大きな理由です。加えて、アイコンや画面構成もポップで親しみやすく、特に若手社員や初めてソフトウェアを触る方たちにとって取り組みやすいツールだと感じました。発売と同時期の導入でしたが、操作性の良さと処理速度の速さを実感し、社内での活用が広がっています。特に点群データの処理が軽快で、大量のデータでもストレスなく作業できることが、日々の業務効率化に貢献しています。これまで使用してきたアイサンテクノロジー製品への信頼感も、早期導入を後押しした理由の一つです。

 

ANIST導入後は、具体的にどのような改善がありましたか?

最も大きな変化は、点群データの処理時間が大幅に短縮されたことです。特に、フィルタリング作業が不要になったのは業務効率化に大きく貢献しています。以前は、点群データを取得した後、不要なノイ
ズを除去する作業が発生していましたが、ANISTは必要なデータの部分が視認できれば図面化が可能なため、データ処理の工程が簡略化されました。また、裏面投影機能により、道路のラインや地表面が見やすくなりました。点群データの密度が高い部分でも点群を180°回転させることで、ノイズを気にすることなくエッジを明確に捉えることができるのです。点群データの表示も軽快で、大量のデータでもスムーズに操作できています。
作業効率の向上に加えて、データの品質管理も容易になりました。視覚的な確認がしやすいため、現場の状況を正確に図面に反映できるのです。また、点群データと図面を同時に確認できることで、整合性のチェックも効率的に行えるようになりました。さらに、現場で取得した3次元データを2次元図面へスムーズに編集できるようになったことも、大きな変化です。3次元データの活用が増える一方で、従来の2次元図面のニーズも依然として高いため、この両方に効率的に対応できるようになったのは大きなメリットだと感じています。

人員配置や作業時間はどのように変化しましたか?

ANIST導入後は、業務フローが大きく効率化されています。以前は測量作業、データ処理、図面作成と、それぞれの工程に専任の担当者が必要で、数人での作業が基本となっていました。それが、現在で
は1名の担当者がスキャナーで現場を計測し、専用ソフトウェアで3次元データを作成後、ANISTで図面化するという流れになっています。1名で一貫して作業を行えるようになったため、各工程間の連携
や調整に費やしていた時間を削減でき、作業の進行もスムーズになっています。
また、ソフトウェアの導入・運用コストも大幅に改善されました。従来は3次元点群データの編集と2次元図面作成に、それぞれ専用のソフトウェアが必要だったのです。さらにそれには、多額の投資が必要でしたが、ANISTは3分の1程度の費用で点群データの編集と現況平面図作成に必要な機能が網羅されています。1つのソフトで完結することで、ライセンス管理の手間も軽減され、投資対効果の高さを実感しています。

今後の業務展開に向けて、ANISTにどのような期待をお持ちですか?

今後期待する機能としては、まず点群表示の調整機能の拡充があります。現在は点群を上部から消去できる機能がありますが、下部からも同様の操作ができると、より細かな調整が可能になるでしょう。また、点群の縦倍率変更機能があれば、段差の小さい部分のエッジ判別がより容易になると思います。さらに、ブロック幅のカスタマイズ機能や3次元画面での選択機能の改善なども期待していますが、これらは今後のバージョンアップで徐々に実現されていくものと考えています。実際、発売後も頻繁にアップデートがあり、ANISTの完成度がさらに高まっていくのを実感しているところです。

3次元測量のニーズは今後もさらに拡大すると予想される一方で、2次元図面の重要性も当面は継続するでしょう。ANISTには、この3次元と2次元をつなぐ架け橋としての役割を期待しています。当社としては、これまで手がけてきたギネス記録の測定など特殊な測量案件に、今後も積極的に挑戦していきたいと考えています。加えて、測量業界全体の発展に貢献できるよう、新しい技術や手法を積極的に取り入れ、お客様の期待に応えていきたいです。

塩川 和彦

塩川設計測量株式会社

代表取締役社長

塩川 和彦 様

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使用ソリューション

インタビューさせていただいた企業様

塩川 和彦

塩川設計測量株式会社

代表取締役社長

塩川 和彦 様

塩川設計測量株式会社

創業:
昭和41年
本社:
埼玉県さいたま市南区
資本金:
3,000万円
事業内容

● 測量
● 建築設計
● コンサルタント業務

導入事例 Case studies

製品別
MMSWingEarthWingneo®INFINITYLasPortANIST

導入企業情報

塩川 和彦

塩川設計測量株式会社

代表取締役社長

塩川 和彦 様

塩川設計測量株式会社

創業
昭和41年
本社
埼玉県さいたま市南区
資本金
3,000万円
事業内容

● 測量
● 建築設計
● コンサルタント業務